こんちわ、ナヲヤです。
6/9(土) 大分銀行ドームで日本対イタリアのテストマッチが行われ、
見事、日本代表が34-17でイタリア代表相手に勝利しました!
対する相手は6ヶ国対抗に名を連ね、研鑽を重ねている強豪チーム。
ランキング下位の相手とは言え、実力は均衡していると思われた相手に堂々の勝利!
15年以降はワールドカップでの3勝と直近での成績を比較され、厳しい意見も多かったラグビー日本代表ですが、ここにきて今までの歩みが間違いでなかったことを証明することができるようになってきています。
そんな可能性を感じたイタリア戦、振り返ってみます。
イタリアがどんなチームかは以下の記事を参考にどうぞ!
もくじ
キックオフ~10分までプレーは安定
キックオフからの10分間はどちらも譲らずの攻防が続きます。
一つ、早い段階でイタリアのラインアウトのスティールに成功したのは、ゲームの流れを掴む上で大きなポイントになったと思います。
これによってイタリアのラインアウトに心理的なプレッシャーを与えることに成功していました。
以降、イタリアは少なからずラインアウトに消極的な姿勢になっていたのではないかと思います。
最初の最初は割とスタンドオフの田村選手からのキックが多かった印象があります。
ずいぶん簡単にキックするな、大丈夫か?
と最初のほうは思っていたのですが、当初からのゲームプランだったのかと、試合結果を見てからは思いました。
ポゼッションを犠牲にしても、イタリアを前後に動かそうとしていたのでしょう。
ボールを渡してしまっても、ディフエンスで受け止められる自信があったので、前半は積極的にボールを手放してイタリアを走らせる。
体格ではイタリアに分があったかと思いますが、そんな日本代表の自信が垣間見えるキックでもありました。
スクラムもイタリア相手に完璧ともいえる安定を見せていました。
何気に日本のほうがスクラムは重かったんですね。
重量スクラムのチームの印象がイタリアにはありましたが、低い姿勢を保ち、しっかりと相手に押されない形が作れていたと思います。
最初の10分間、ここで失点してしまうと日本やサンウルブズは手放した流れを取り戻すのに時間がかかってしまうのですが、安定したプレーもあり失点せずに済みました。ここも一つ大きかったポイントかと思います。
先制を許すも、慌てない
試合が動いたのは前半14分。
イタリアが外目に差し込み、ペナルティのアドバンテージを得ます。
間髪入れずに、イタリアがディフエンスラインの裏にキック。
ヴィンピー王子が必死に追いますが、紙一重の差で相手が速かったとジャッジされ、先制トライを許します。7-0。
やはり抜け目ないイタリア代表。
一瞬の差でトライを許してしまいます。
しかし、日本代表はここで慌てませんでした。むしろ一段と落ち着いたようにも感じました。
キックオフからのプレッシャーでイタリアはタッチキックで逃れますが、日本はラインアウトにせず松島選手がクイックスローでマフィ選手にパス。
SR随一のラインブレイカー、マフィ選手。イタリアの選手を3~4人巻き込みながらゲイン。
ラインをワイドに使い、左右に振りつつポイントを形成。
田中→ラファエレ→堀江とボールが渡ると、堀江が得意のバックフリップパス!
ボールが田村にわたり、田村→松島→マフィ→リーチ→福岡と流れるようなボール展開!
堀江選手に引き付けられたことでスペースの空いた外を突くことに成功。
福岡は捕まるも、リーチ→マフィの切り替えしに成功して最後はマフィのトライ! あっという間に先制トライを無かったことにしました。
やや角度のある場所からもキックが冴えていた田村選手のコンバージョンが決まり、7-7の同点に追いつきます。
スルスル、福岡選手
更に前半27分。日本は追加点を重ねます。
自陣で稲垣選手の作ったポイントからボールが出てラファエレ→マフィからのオフロードでトゥポウ→福岡。
本当に少ししかないスペースでしたが、福岡選手の快足でするっと抜け出すとそのまま独走状態に。
走り出しの初速で1人目を交わすと一旦速度を緩めて2人目を引き付けた後、再加速で抜き去っていますね。
3人目は早々に諦めてしまうほど、スピードがついてしまうと、もう誰も福岡選手を止められるものはいませんでした。
自陣中ほどからの独走トライだったので60~70mくらい稼いだのかな?
本当に速い。
前半33分には敵陣中央でアドバンテージを得つつ、インゴールにキックでボールを入れトライを図るも、惜しくもグラウディングできず。
アドバンテージのペナルティをショットで沈め、この時点で17-7。
前半終了間際、ラインアウトからのモールでボールを出したイタリアは日本が作った外の大きなスペースを使いゲイン。
下がりながらのディフエンスで多少ラインが雑になったのか、イタリアのNo.8にパワーで押し込まれ1トライを許します。
前半終了時点では17-14。
僅差ですが、リードを守れている状態で折り返しです。
後半の入りも上々
サンウルブズによくありがちなのが後半開始早々にイージーなトライを許して、「アレが無ければね…」という感じで負けるパターン。
日本代表も先発はほぼサンウルブズのメンバーなので、同じことが起きないか心配だったのですが、そういったマギレも無く試合は淡々と進みます。
展開的にはイタリアがボールをキープして日本代表がディフエンスを続ける我慢の連続でしたが、普段サンウルブズが相手にしているチームと比較すると、イタリアの攻撃は、ややスピードやインパクトに欠ける攻撃のように映ります。
イタリアのミスに助けられる場面も多かったのですが、ディフエンスにはある程度余裕があるように見受けられました。
後半8分にはスクラムハーフに交代があり、流選手がIN。
試合のテンポが徐々に加速すると同時に、日本の攻撃も加速していきます。
後半の入りはまだ良かったのですが、徐々にイタリア代表のリアクションが遅くなっていたようです。
キックをチェイスする足は止まりつつありました。
日本代表のフルアクセルは後半に、というプランだったのでしょうか。ここで前半のキック連発が効いてきたと言えます。
後半の最初10分を何とか守り切った日本代表。
後半12分頃に、自陣に食い込まれてノットロールアウェイからショットで17-17の同点に追いつかれてしまいます。
しかし、別段慌てた様子もない日本代表。見ていて頼もしかったです!
日本全開。素晴らしいトライ!
後半17分には敵陣10mライン付近で、敵のノックオンオフサイドによるペナルティを得ます。
距離はありますが、ほぼ真正面。
これを田村選手がきっちり決めて20-17。再び勝ち越しに成功します。
後半20分を過ぎると、イタリア代表はさらに元気を失った様子に。
日本代表が畳みかけます。
後半21分には、敵陣深くでアドバンテージを得つつ、フォワード戦でラインを押し下げます。
流→田村から、田村選手の外目へのキックパスに堀江選手が反応。
タッチライン際でジャンプキャッチからすぐさま内に位置していたレメキ選手に折り返しパス。
堀江選手、完全にバスケットボールプレイヤーに戻っています。
がら空きのゴールにトライ。キックも決まって27-17!
そして冴えわたる田村選手のキック
完全に流れは日本代表のペースに。
リスタートからもいいプレーがでます。
田村選手のタッチキックはハーフウェイライン付近までラインを押し戻すナイスキックに!
イタリアはボールを確保しても攻撃に力が無く、日本のディフエンスに押され、打つ手無くなってキックをしてしまう展開になっていました。
スペースを与えられた松島選手がランやキックの蹴り返しでイタリアに休む間を与えないので、さらにイタリア代表は消耗していきます。
消耗した末に、反則を犯す。
ハーフの位置に福岡選手が入ります。サンウルブズでもしばしば見られるこのコンバート。
スクラム時のオプションですね。
ハーフ役の福岡選手が自身でボールを持ち出し、敵フォワードの展開よりも早く、攻撃を進めようというプレーです。
福岡選手はそのままボールを持ち出し敵のスタンドオフを巻き込みポイント形成。
さらにパスアウトからラファエレ選手がもう一つポイント。
そこから出たボールを田村選手が敵の裏にキック。これよく見えてましたね。敵のフルバックが若干上がっていたので底を見逃さず、ボールを差し込みました。
そこへ松島選手が走り込み、うまくボール確保!
そのままトライで34-17に!
これで大勢は決し、日本代表は34-17のスコアでまずは対イタリア初戦を完勝でものにしました。
勝因と課題
キッキングラグビーがうまくいくとここまで破壊力があるのだと痛感しました。
前半の布石が後半になって効いていた感があります。
セットプレーも安定していたため、イタリア代表に落ち着かせる時間を作りませんでした。
そのプレッシャーがイタリア代表のハンドリングミスなど、流れを掴ませない要因になっていたと思います。
ポゼッションを犠牲にしつつも、これだけの攻撃ができた背景には、割れないディフエンスの力があったことにも言及すべきでしょう。
また、日本代表にも課題はあります。
一つはペナルティの多さ。
ハンドリングミスはイタリアのほうが多かったですが、ペナルティは日本のほうが多かった。
規律はよく見られがちですが、まだまだ減らせる反則はありますし、それが無くなれば失点をさらに小さくすることができるでしょう。
タックルミスもまだ多いです。
今回は致命的なタックルミスはあまりなかったと思いますが、大きくゲインを許すようなミスはありました。
相手に与えるプレッシャーをより強固にするには、どこでも誰でも、強力なタックルができると思わせられるようにならないといけないなと。
次戦、自信をつけた日本代表がさらにこの差を広げられるような課題修正をできることを信じています。
次戦も勝利を!
サンウルブズはその戦績からいろいろ言われてきましたが、やっぱりSR参戦は意味のあるものだったのだと思います。
過去の対戦成績から言えばイタリアは強敵だったはずですが、その攻撃が耐えられないものでなくなったのは、ひとえにSRの南半球の強豪たちにもまれ続け、地力がついてきたことの証だと思います。
まあボロ負けも多かったですが、そういう容赦のない攻撃に晒され続け、知恵を出し続けたから今のディフエンスが確立されてきたわけで、そういった意味ではSR様様。
現に6/9のテストマッチ。SR参加国はアルゼンチンを除き、日本、NZ、オーストラリア、南アフリカが北半球のチームを下していますね。
ワールドカップの勝利に向けて、様々な経験が収束し、いい結果になって帰ってきつつあります。
次戦の勝利を期待しましょう!
私、現地に参ります!
応援よろしくお願いします!
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