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アーリーエンゲージ/地味だけど侮れないスクラムの反則の話

アーリーエンゲージ/地味だけど侮れないスクラムの反則の話

こんちわ、ナヲヤです。

ウインドウマンスの間は少し空いてしまったルール解説ですが、ちょっとテストマッチ中に気になった反則がいくつかあったので、これらを中心にこまごまとした解説をしてまいります。

オーストラリア戦トンガ戦やフランス戦で感じたのは、スクラムブレイクダウン時の反則の解釈。

特にフランス戦は前半で、選手が「あれ?」と思っているような表情も見られ、審判との意思疎通ができていなかった印象です。

スクラムの合わせ方、アーリーエンゲージを中心に話していきたいと思います。

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アーリーエンゲージとは?

アーリーエンゲージとは、スクラムを組む瞬間に、審判の掛け声より早くスクラムを組もうとする反則です。

通常は「クラウチ・バインド・セット」の掛け声の「セット」が組み合うタイミングなのですが、その掛け声より早く動くことを指します。

アーリーエンゲージしてしまった場合は相手チームのフリーキックになります。

なぜ早めにセットしようとするのか? ですが、スクラムは押し合うために両チーム少しでもいいポジションを取ろうとします。

セットの際少しでも相手側に押し込めたら、その分有利になります。なのでスクラムがうまいチームほど、ギリギリの線でセットを仕掛けてきます。

更に言うと、多少のフライングを敢えてすることすらありえます。

セットのタイミングは審判の解釈により多少異なります。それらの審判ごとの癖を把握することで有利な状況を作り出そうとするのです。

ラグビーのスクラムではどんな作戦、駆け引きが行われているか解説しよう!

レフェリーマネジメントの課題

アーリーエンゲージやコラプシングなどのスクラムでの反則は、この審判の解釈を利用しないと場合によっては濡れ衣を着せられることになります。

例えば、、

  • 相手側がわざとセットのタイミングを遅らせたことでアーリーエンゲージを誘われた
  • 崩したのは明らかに相手だが、こちらが崩したように見せかけられた

などなど。

各国の代表選手は、演技力もオスカー並みですから(笑)、往々にして反則を誘発させられるということがあります。

2015年ワールドカップでの南ア戦でも、最後のスクラムは思い切りアングル(角度をつけてスクラムをセットする反則)をかけられたと木津選手が言っていました。

これも木津選手は「反則取ってもらえるかな」と思っていたら、そのまま続行されてしまい、あわやスクラム崩壊の危機がありました。

南アのイチかバチかの大博打だったわけです。(南アが悪質なら、日本の認定トライの可能性もありました)

辛くもマフィがスクラムからこぼれたボールをキープできたので、あの奇跡の勝利につながったのですが、あのスクラムも審判の解釈を利用した駆け引きが行われていたということです。

スクラム、面白くなってきたでしょ?(笑)

審判はそのゲームにおける法です。審判が執行するルールが正しいのであり、絶対的なルールが存在するのではないのです。

その意味では、木津選手のアングルだった、という解釈は、あくまで木津選手(=日本代表チーム)の解釈であり、そのゲームの法上では、アングルではなかったのです。

なので、選手たちと審判はゲーム上で何度もルール解釈についてコミュニケーション、確認をとり、選手はそのゲームのルールを把握して自分たちの解釈を都度修正します。

審判のチームに対する印象を悪くしないためにも、重要なゲーム設計の要素であると言えるでしょう。

HCが審判をコントロール?

誰か、とは言いませんが、ラグビーの名HCと言われる人たちは審判に対する解釈の誘導も行うようです(笑)

試合前に審判に自チームの戦略が有利になるように、プレー内容を説明しその解釈を聞いて、反則であるかないかを確認します。

もはや心理戦です(笑)

審判が「反則ではありません」と言えば、それを言質にして有効な戦術を選択します。

場合によってはゲームを崩壊させる可能性もあるので、審判も下手に許可することができません。

複雑かつ、最終的な判断が審判にゆだねられているファジーさが成せる領域です(笑)

こうして解釈を聞き取り、言質で審判の判断を制限させ、名HCは自チームに有利な条件へと誘導しているのです。(笑)

審判もつらいですね(笑)

協会によるルール解釈の微妙な違い

「○○協会の審判は、ロールアウェイの判断が異様に早いから注意だ」みたいな確認はおそらく試合前やハーフタイムになされていると思います。

各テストマッチ、日本代表はよく後半から修正できていたと思います。

トンガ戦などはその差が顕著でした。スクラムでは規律あるチームとして審判に印象付けられていたと思います。

フランス戦ではスクラム時の駆け引きはちょっとかみ合っていなかったと思います。

ヨーロッパの審判との相性もあったかもしれません。

それでもよく後半に修正をして、ブレイクダウン時の反則は減らせていたと思います。

逆に言えば、前半のルール解釈の差に泣かされていなければ、前半をリードして折り返せていたかもしれないと思いました。

ワールドカップ予選の日本代表の相手はヨーロッパ勢(IRE、SCT)が多いので、ヨーロッパのプレーや反則の傾向をチェックし、対策を打っておく必要があると思います。

日本代表の短期間での修正力には疑いの余地はありません。

前半からでもフルパワーで臨めるよう、スクラムブレイクダウンの修正に期待です!

応援よろしくお願いします!

記事を書いた人

nawoya
ナヲヤです。1983年生まれ、高知県在住です。
2019年ラグビーW杯の時に、少しでも多くの人と
ラグビーを楽しめるよう、ラグビーの楽しさを紹介します。

雑記では、ラグビー以外の気になることも紹介していきます。

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