こんちわ、ナヲヤです。
5/19、スーパーラグビーの試合が始めて行われた香港は旺角スタジアムで、我らがサンウルブズと南アフリカカンファレンスのストーマーズとの試合が行われました。
先週、待ちに待った今季初勝利を挙げて勢いに乗りたいサンウルブズに対し、ストーマーズはチーフスに敗れての遠征。
サンウルブズファンの欲目が入った予想だと、地の利もありサンウルブズ有利か? という印象。
連勝を期待してか、香港へ飛んだ日本のファンも多数いた模様。
果たして香港に飛んだ皆さんは、長旅報われたのでしょうか!?
そこには予想だにしていないドラマが待ち受けていました!!
序盤は不運の連続…
さて、現地時間の13:15(日本時間は14:15)にキックオフ。
香港は今の日本よりもだいぶ暑く、試合開始時点で34℃、湿度は78%と真夏のような状況。
はっきり言ってラグビーしたらいかんのでは? という気候です。
試合開始早々は、サンウルブズが非常に元気でした!
キックオフ早々からターンオーバーに成功し、ここから5分間はほぼサンウルブズの攻撃フェーズが続きます。
ディフエンスも容易に破れないので、ストーマーズは攻め手を欠き、タッチラインに逃げることが多くなります。
この日、サンウルブズのラインアウトは非常に安定していました。高さではストーマーズに譲りますが、93.8%という高い確率でラインアウトのボール確保ができていました。
攻撃を重ねるサンウルブズ。
しかし、前半5分でサンウルブズを不運が襲います。
パーカーが蹴った外目へのキックパスがストーマーズのレイズに渡ってしまい、そのまま独走状態に。
松島が懸命に外へ押し出しますが、紙一重でトライ成立。先制点を敵に許してしまいます。
この試合全体に言えることですが、味方キックへの対応が暑さのせいかちょっと遅れたり、人数が足りなかったりしました。
ボールの気まぐれもありますが、わずかに見えた油断を突かれたトライでもありました。
さらに前半21分。
サンウルブズはラインアウトが乱れたものの、再度ボールを奪取に成功。
外が余ったので早め早めにボールを回していく中で、ブリッツの手放したボールをエンゲルブレヒトがインターセプト!
そのままトライとなってしまいました。。
不用意な面はあったかもしれませんが、外が余っていてチャンスだっただけに勿体なかったなと。
この時点で12-0。
いい流れだったのに、点差は開いてしまうというちょっと嫌なムードでした。
前半に1本返す
しかし、本来の流れであればサンウルブズのペースだったこの試合。
取られても取り返すのがサンウルブズの本骨頂。
前半25分。ラインアウトからマイケル・リトルの突進でブレイクダウン形成。
赤塚不二夫風味のマイケル・リトル選手。#サンウルブズ #香港でも頑張れ pic.twitter.com/E5vA6nDiAg
— nawoya@ゆるラグビーブロガー (@nawoya_front) May 15, 2018
田中がボールキープしますが、ブレイクダウンの裏がぽっかり空いていたのでそのままピック&ゴー!
この辺りの田中選手の状況判断、本当にすごい!!
こういう炎天下の中では集中力も途切れがちで、ストーマーズのブレイクダウンのフォローも遅れたのでしょう。
そこを見逃さず、田中選手の持ち出しによりラインブレイク。
敵ディフエンスと接触するも何とか転ばずにキック。敵に当たって効果的なキックにはなりませんでしたが、怪我の功名でフォローのラファエレにボールが渡ります。最後はラファエレーパーカーの連携でパーカートライ!
反撃開始の狼煙となります!12-7。
ところが32分、タッチに蹴りだしたかったキックがノータッチとなり、そのまま繋がれてしまいゴール前でゴロパントからのレイズがトライ。
追いつこうした矢先にまたしても突き放され17-7。
前半終了間際にPGを決めて17-10で前半を折り返します。
ハッティングの献身
全体を通すと、サンウルブズのほうが動きはよく見えるのですが、なぜかストーマーズにトライを奪われるという、ややフラストレーションの溜まる展開。
ただ、前半を20点以内かつ1トライ1ゴール差の射程圏内に捉えていたのは、ポジティブでした。
JSPORTSの中継では、ハーフタイムの両軍のロッカールームが映りましたが、明らかにストーマーズバテてます(笑)
気候が味方しているのは、やはりサンウルブズのようでした。
後半開始からもサンウルブズは猛攻を見せてくれますが、惜しいところで反則があり波に乗り切れません。
前半もそうですが、スクラムが安定しなかったのも痛かった。。
レフェリーとの相性の問題な気がしますが、プッシュのタイミングやポジショニングが噛み合っていない様子でした。
反則を犯し、スクラムでもペナルティを取られ陣地回復を許してしまうケースが後半は多かった。
この辺の修正は今後の課題かもしれません。
惜しいところで攻めきれない展開は後半の56分まで続きます。
話は前後しますが、後半の50分あたりで選手交代により徐々にフレッシュレッグが投入されていきます。
田中→流で試合のテンポが変わることで、気候にやられバテ気味のストーマーズにはきつい展開になっていたと思います。
そして後半の56分、FWも参加して長いラインになり横幅を使い切った大きな展開から最後はリーチが抜け出し、フォローに来たハッティングがあわやノックオンというボールを何とかキープしそのままトライ!
後半最初のトライを決めてストーマーズに追いつきます!
この時点でストーマーズは相当嫌なムードだったでしょう。
心理的にも一番きつい時間帯に追いつかれるというのは、疲労感が増すものです。
徐々に試合は我慢比べの様相を呈してきました。
後半65分。
途中出場のヘルウヴェが魅せます。
孤立とも言えないストーマーズのブレイクダウンで果敢なジャッカル!
ストーマーズのスイーパーにも膝を折ることなく、相手のペナルティをもぎ取ります。
ほぼ敵陣22mライン上。ゴールから見てやや右の位置。
ここで登場、レッズ戦で12/12、キック成功率100%の男、ヘイデン・パーカー選手。
いとも簡単に決めてくれまして20-17と初めてこの試合でストーマーズをリードすることに成功します。
しかし、喜んだのも束の間、前述のスクラムが災いし、71分にはPGにより再び同点に追いつかれます。
さらには74分にラインオフサイドを許してしまい、ストーマーズは自陣からのキックとなりましたが、追い風が味方しそのPGを成功させ、23-20と逆転を許します。
絶体絶命。。。
連勝の夢は果たせないのか、と考えてしまいました。。。
80分を超えても集中
逆転してからは時間を使い始めたストーマーズ。
あくまで勝利を狙うサンウルブズはここでギアを一枚上げます。
この炎天下の中でどこにそんな力があったのか? という感じです。素晴しいガッツです!
戦意を落としていたストーマーズに、このアタックは効果的でした。
後半78分にペナルティを得ることに成功します。
この時のサンウルブズの選手の面々。。。みんな膝を付き苦しそう。。。
この時、ハッティングが最後の力を振り絞り、みんなに声をかけます。熱い…!
こういう献身的な選手がいると、最後の最後の燃料が使えるんですよ!
私にはこれが最後の猛攻のための起爆剤になった気がしてなりません。ハッティング、ありがとう。
向かい風の中、決して簡単なキックではなかったと思いますが、無事PGを決めて土壇場で同点に追いつくことに成功します。
負けられないサンウルブズに、譲れないストーマーズ。
80分を過ぎた試合の中、どちらも反則を犯した瞬間にフルタイムですが、そうはなるまいと最後の気力を振り絞り両軍がぶつかり合います!
実質の延長戦のような状況。
試合はドラマティックな結末を迎えます。
鬼の長距離砲、パーカー
80分を過ぎてからはストーマーズがしつこいFW戦を仕掛けてきます。
ポイントを作りつつ徐々に前進する、あわよくば敵のペナルティを誘うという作戦。
しかしサンウルブズのディフエンスも硬さは健在。すんでのところで敵の突破を許しません。
ヘルウヴェやブレグバゼが折りを見てジャッカルを仕掛けますが、うまくいかずこの攻防が2分程度続きます。
しかし、一瞬のスキからブレグバゼが相手からボールを奪取!
後ろに逃がしたボールをジェイソン・エメリーがキープ。
展開されたボールをパーカーがキックパス。イチかバチかのプレーですが、福岡がウルトラスーパーキャッチ!!
ここから見ている方としてはヒヤヒヤの連携が続きます(笑)よくつないだな(笑)
ポイントをフィールド真ん中に寄せていき、最後は後方に控えたパーカーにボールが。
まさか?
「ドロップゴール、行くぅ?」
という矢野アナウンサーの名言(?)が発せられた中、パーカーの蹴ったキックはゴールを割ったのでした!!
もの凄い位置に陣取っていたラガマルくんを映しつつ(笑)、サンウルブズは劇的な香港デビュー、海外初勝利、連勝を飾ったのでした!!
アジアが味方だ!
なんとまあ、鮮烈な試合っぷり。
香港のファンもサンウルブズが好きになってしまったのではないでしょうか?
試合終了後はグラウンドにファンも入っての交流。現地で応援していた人がうらやましい。。。
中には赤キャップかぶっていた子供もいて、「あ、レッズ戦来ていたのかな?」と嬉しくなったりもしました!
アジア唯一の参加チームであるサンウルブズ。アジアのファンも魅了し、ラグビーファンの輪を増やせたら最高だと思います!
次戦からはオーストラリア遠征ですが、益々勝利を期待したくなる今日の内容!
確実に強くなっています、サンウルブズ!
応援よろしくお願いします!
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