こんちわ、ナヲヤです。
昨日秩父宮で行われましたスーパーラグビー第9節、サンウルブズ対ブルーズ戦の振り返りをしてみたいと思います。
例によって試合内容や結果を記載しますので、録画組な方はご注意ください。
それではいってまいります!
もくじ
サンウルブズの前半はよかった
何かこう書くと見もフタも無いのですが、サンウルブズの前半は、いままでの18年のシーズンの試合の中で一番の出来だったように思います。
相手はオフロードパスを得意とするチームでしたが、その対策も出来ていたように思います。
その理由を何点か挙げてみます。
Wタックルの徹底
前半はタックルが綺麗に決まっており、ボールの動きを停滞させるディフエンスができていました。
下に入ってから上に入って、簡単にボールをつながれないように対策していたのだと思います。
これによりブルーズは攻撃のテンポが作れず、苛立ちも見せていました。
1人で止めるのは難しくても、2人で確実に止める。この意識は前半には守られていたと思います。
そして、そのディフエンスはブルーズ相手に確実に機能していました。
機能していた理由はもう一つあります。
ブレイクダウン時の執拗な執着
Wタックルでブルーズのボールを停滞させることに成功していたサンウルブズ。
ブレイクダウンになっても、ボールへの働きかけをやめることはありませんでした。
そもそもブレイクダウン成立時に2対1で数的優位を作れているので、ブレイクダウンのボールを容易に敵に出させないことも可能です。
本来なら倒れないでボールをつなぐ、倒れても素早い球出しでボールを動かし続けるブルーズは、さぞやりづらかったでしょう。
中でも光っていたのはフランカー、ラブスカフニ選手!
全てのブレイクダウンに絡んでいるのではないかというくらい、積極的な働きかけが見られました!
「ラピース、神!」みたいなツイートも頻繁に飛び交ってましたね(笑)
このブレイクダウンでのしつこさで、ブルーズはボール確保に人数を割かねばなりませんでした。
これは、ブレイクダウン参加でブルーズが外目に人数が割けなくなったことで、間接的にサンウルブズの外のディフエンスを助けていました。
前半の失点を5点に防げたのはひとえにブレイクダウン時の、ラピースをはじめとしたフォワード陣の献身によるものと考えます。
課題だったラインアウトもだいぶ安定
ワラターズ戦の時ほど特別なことをしているようには見えませんでしたが、ラインアウトは安定してきていました。
身長2m超のロックであるグラント・ハッティング選手が戻ってきたことで、高さの不安が解消されたのかもしれません。
ディフエンス時のラインアウトでは、相手ボールのスチールにも成功していましたね。
別に新しいこと試しているわけでも無いのですが、自信をもってやれば案外すんなりと成功するものなのかもしれませんね。
全体の動きは早くなっているとは思います。
後半はチームが入れ替わったように悪化…
さて、前半に良かったことを挙げてみましたが、あくまで「前半はよかった」という話です。。。
後半に入ってからは、「え、同じチーム?」ってくらい印象がガラリと変わります。。
ほぼ前半の良いところをひっくり返したような話ですが、以下気になったところです。
Wタックルができなくなっていた
そういう指示でも出ていたのか? と疑うくらい、前半はまっていたWタックルが見られなくなります。
ブルーズ相手に確実に機能していただけに非常に残念でした。
後半に入り疲れが出ていたのか、連携不足になりつつあったのでしょうか?
Wタックルは息を合わせないと効果的にするのは難しいので、急造のディフエンスシステムであったのなら、これを後半にもできるように仕上げなくてはいけないと思います。
Wタックルに行けなくなったことで、ブレイクダウン時のファイトも減りました。(ラピースはそれでも行っていましたが)
これが結果的に、前半に許さなかったブルーズの伸び伸びプレーを許すことになります。
浮かせられるディフエンスに対応できない
サンウルブズが前半にやっていた複数によるディフエンスを、後半は逆にブルーズにやられる展開でした。
主にバックスですが、コンタクトの瞬間に体ごとボールを抱え込まれ、寝ることができない、つまりブレイクダウンが作れない状況が生まれました。
バックスが孤立してボールに絡まれ球出しできない。悪いとボールを奪われたり、反則になったり。
ブルーズのディフエンスもうまかったのですが、ややバックスが敵を抜くことにこだわり過ぎたのかなという印象を受けました。
基本的にコンタクトの瞬間の姿勢が高いために狙われたのだと思います。
抜ければトライという局面で無謀なギャンブルに出るのではなく、確実に球出しして繋げられるように低く当たることも必要だったと思います。
低く当たれば、容易に抱え込まれることは避けられたのではないかと思います。
孤立させてしまったり、ブレイクダウンへのフォローが遅れるシーンもありました。
バックスではオフェンス時もディフエンス時も意思の疎通がまだできておらず、ボールキャリアーとフォロワーの連携が希薄に感じました。
フォロワーが思った場所へボールキャリアーが行かずにコンタクトして、ボールを孤立させてしまうという状況が多かった気がします。
ブルーズ戦に限らず、直近の試合はそこを突かれているように思います。
スクラムの修正ができなかった
スクラムに関しては定評のあるサンウルブズでしたが、ブルーズ戦ではスクラムの組み方による反則が多かったです。
アングル(角度をつけてスクラムを組む反則)は数回取られていましたが、その都度修正ができていなかったように思います。
チャンスのシーンでもスクラムの反則で攻撃のテンポを逃し、チームの雰囲気が良くない状況になっていました。
攻撃の波は、選手のメンタルにも大きく影響を受けています。
良かった流れを一度の反則で失ってしまい、逆に劣勢に立たされることもしばしば起こります。
一つ一つの反則の理由を明らかにし、フィールドでも高い修正力を持っていないと戦略を柔軟に変えてくるチームと戦うのは難しいように思います。
焦りからくるイチかバチかのプレー
外に数的優位を作られることが多くなっていたサンウルブズのディフエンスは徐々に余裕を失い、ギャンブル的なディフエンスに出るようになっていました。
具体的に言うと、ウイングのマシレワ選手やレメキ選手の飛び出しディフエンスです。
しばしばビッグタックルをもたらすこともありましたが、ブルーズ戦では機能していませんでした。
むしろ抜かれないことを念頭に、ほかのプレイヤーが戻ってくるまでの時間稼ぎをした方がよかった状況もあったと思います。
前半は内側に相手プレイヤーを停滞させていましたが、疲れもあったのか、後半はむしろ内側で停滞しているのはサンウルブズで、外目のディフエンスが足りていませんでした。
ウイングにすべての責任を負わせるのは酷ですが、時間稼ぎの駆け引きや、1対1で負けないタックルがあれば1~2トライ防げたように思います。
横との連携と、個の強さ。
この二つが今のサンウルブズのバックスには不足しているように思います。
松島の交代劇
観戦中、「あれ、松島交代なの? もしかして、怪我…?」と思ってみていました。
普通に歩いているけどな。。。
しかも入ってきたのはヘイデン・パーカー選手で、スタンドオフかぶるやんと思っていたら、田村選手がフルバックにコンバート。
正直ちょっと不可解な配置。。。
後になって出た記事を見てみたら、松島選手のタックルミスが多かったための交代だったとのことでした。
ただ、この交代は結果的にはあまり意味がなかったように思います。
松島選手のタックルが成功していないシーンは確かにありましたが、あれだけ外の突破を許していればフルバックのディフエンスだけで守ろうというのは無理な注文のような気がします。
実際松島選手も、なぜ交代だったのかが最初分からなかったようなので、ちょっと心配です。
選手との間に、不協和音が生まれないといいのですが。。。
サンウルブズの課題
新しい課題が浮き彫りになったサンウルブズ。
前年のシーズンでは秩父宮で2勝を挙げてくれましたが、今シーズンはその成績を上回ることはできなくなってしまいました。
観客数もまたしてもワーストを更新してしまい、ちょっと心配になってきました。。
NZ遠征は強力な敵が相手ですが、次につながる成果を残して5.12の秩父宮に凱旋してほしいものです!
応援よろしくお願いします!
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