こんちわ、ナヲヤです。
2019シーズンのサンウルブズ国内初戦が2/23、秩父宮で行われました。
相手はオーストラリアカンファレンスの強豪、ワラターズ。過去3度対戦しボコされまくっているチームです。
オーストラリア代表の選手を多数抱えるワラターズに、サンウルブズはどう戦ったのでしょうか?
もくじ
前試合のおさらい
サンウルブズは1週間前にシンガポールでシャークスと対戦。
内容は、あまりよくなくて、45-10と6トライを許す大敗。
スクラムやブレイクダウンで押し込まれるシーンが多々あり、後半は焦りもあってかペナルティを連発。
2019シーズン開幕にちょっと不安な展開になっていました。
一方、ワラターズの方はハリケーンズ相手に20-19と一点差の惜敗。
開幕2連敗は何としても避けたいでしょうが、どのようにマインドを整えて日本遠征に来たかがポイント。
事前に発表されているメンバーはフルに近い内容で、決して気を抜いていないのは見て取れます。
準オージー代表のような顔ぶれであるワラターズに対しサンウルブズの評価は、戦前は大敗の予想が大方であったと思います。
前半の立ち上がり
前評判通り、ワラターズはガンガン攻めてきます。
オーストラリア代表で日本でもプレー経験があるフルバック、イズラエル・フォラウ選手を中心にスタンダードなバックス攻撃を続けます。
このあたりシャークス戦とは相手の出方がやや違う印象。
ただこのバックス陣が強力で、再三サンウルブズ陣を脅かします。
去年のサンウルブズはこの外を攻められると極端に弱かった印象がありますが、今年のサンウルブズは一味違うかもしれません。
外で枚数が足りなくなるのは変わらずですが、大外ディフエンスの練習を繰り返したのか、外勝負になった時に負けていません。
上手く相手を外に追い込みライン際でとらえるディフエンスができています。
去年はイチかバチか的な、大外の飛び出しディフエンスが多く見られ、その際に発生したギャップを突かれて失点が多かったですが、ここの対応の仕方が変わっていて、時間をかけさせることができています。
前半早々、6分頃に外で危ういシーンがありましたが、うまくマシレワ選手が外に押し出してディフエンス成功しています。
まあこれ、マシレワ選手がボールに手を当てていて、本当はノックオン臭いのですが(笑)、結果オーライ。
サンウルブズの去年の課題は着実に解決されているなーと思った次第。
リョート君、光る
マシレワナイスディフエンスの後もしばらくピンチが続きますが、去年の秋から日本代表のセンターにも顔を出し、着実に存在感を増している中村リョート選手が魅せます。
ポイントから出たボール、パスアウトされていく中をインターセプト!
ピンチから一転、大チャンスに持ち込みます。
すっぽ抜けた中村選手、無理をせずパーカー選手のフォローの位置を確認。
追ってくるワラターズディフエンス2名をうまくパーカー選手との空クロスで巻きつつ、大外のファンデンヒーファー選手をマークしていたディフエンスを引き付け、最後はファンデンヒーファー選手にパス。
無人のフィールドを行きつつ、サンウルブズが先制トライ!
中村選手、非常に落ち着いたプレーです。
「髪型はチャラついてますが」by 沢木パイセン
そう、先制トライはできるのです、サンウルブズ。
前回のシャークス戦は10点しか取れなかったので、これで終わりませんように、と観戦中の私は思っていたのでした。。
ゲイツ、痛恨のミスキック。清宮氏怒る(笑)
ワラターズキックでのリスタート。
浅めに蹴られたキックは大車輪リョート君がキャッチ。
ポイントからのパスアウトは、13番のシェーン・ゲイツ選手に。
相手ラインの裏に通そうとしたのかチョコンと蹴ったキックが敵センターに絶妙なパスになってしまいます。
キックチェイスの体制に入っていたサンウルブズはまさかのターンオーバーに、さすがに対応できずそのままトライ。
先制リードも僅か1分程度の束の間でした。
これにはJSPORTS解説をされていた清宮氏、激怒(笑)
「ロッカーで胸倉掴まれるプレー」
「13番の背番号背負って、あんなプレーしちゃいけません」
「体張れ、ですよ」
等の厳しいお言葉が(笑)
まあ確かにあのシチュエーションではキックは下策だったかなと思いますね。ちょい楽しようと思ったように見えてしまう。
先制した後だったので、もう少しボール大事にしてほしかったですね。
スクラムに勝って、清宮氏の機嫌が直る
前半14分頃、サンウルブズ陣ゴール前のペナルティでワラターズがスクラム選択。
そこまでのスクラムには特に勝ってる負けてるはなかったのですが、ゴール前5mの場所とちょっと嫌な感じです。
シャークス戦の時はやられまくってしまいましたが、今回は世界のスクラム職人、ヤンブーが先発だ!
耐えられるか? という思いがいい意味で裏切られます!
サンウルブズのゴール前スクラムはワラターズを圧倒!!
押されないどころか大きく押し戻して逆にペナルティを獲得。
これにはさっきまでお怒りだった清宮氏もご満悦(笑)
なんだかスクラムはイケそうな雰囲気でした。
イジーの2連発でまたもや苦境に
前半24分と27分にイズラエル・フォラウ選手が牙をむきます。
いずれも大外で再度違いではありますが右と左に一本ずつ。
大外まで回ったボールを内にリターン。そこにイズラエル・フォラウ選手が走り込んでくるというパターン。
まあイジーが速くて止められません。
攻撃としては何のひねりも無く、スタンダードなバックス展開なんですけど、それでもディフエンスできない。
サンウルブズのディフエンスが悪いのか、イジーがすごすぎるのか…。
イジーはすごいけど、やっぱり止めなくてはいかんでしょうな、コレ。
外でディフエンスを使わされてそこに強いランナーを投入するという至極シンプルな戦術に2本取られてはいかんのです…。
ここまでで17-10。このままズルズルいかんでくれ~という思いでした。
前半終了間際に追いつき逆転
マシレワ選手がHIAから松田選手に交代。なかなか力也のSOは見られませんなあ。2試合続けてウイング起用…
パーカーがPG決めて3点返し17-13まで詰め寄った前半35分。
なんとかもう一本取ってワラターズに互角な前半を強調したいところ。
前半終了間際にペナルティからの速いリスタートでワラターズをかき混ぜ、リョート君の絶妙なオフロードにSRデビュー戦のトム・ロウ選手が走り込みそのままトライが生まれます!
おめでとう、トム・ロウ選手! SRデビュー戦で初トライもマーク!
そしてスコアも20-17で前半折り返し!
今まで負け続きだったターズに対しリードしたまま後半を迎えます!
後半もいい立ち上がり
いつも後半の最初に失点イメージのあるサンウルブズ。
悲観的な書き方から始まってしまうのはそれだけサンウルブズを長く見ているからだと思ってください(笑)
今回は後半早々にパーカーがPGを沈めてくれたので、さらにリードを広げる形でいい後半の入り方ができていました。
ここで特筆すべきはサンウルブズのタックルが後半も衰えていないこと。
シャークス戦は鳴りを潜めたディフエンスですが、この試合は粘り腰が効いていました。
ボスアヤコ選手、中村選手、山下選手あたりは良いタックルを連発していたと思います。
後半の48分にはゴール前でディフエンスを粘りましたが、ワラターズにトライを許します。
ただこの時も、いつもよりは相手の攻撃に耐えられています。1.5倍くらい?(ちゃんと調べてないですけど…)
ここでは取られてしまいましたが、相手に与えるプレッシャーや疲労感は段違いなはずです。
フィジカルもそうですが、こういうメンタル的にも結果としてどちらが消耗したかは試合の後後で響いてきます。
押されているときのディフエンスはすごくつらいけど、こういうところでもサンウルブズは頑張らないといけないんですね。
これで逆転を許すことになります。
シャークス戦の悪夢再び
後半59分に痛いミス。
サンウルブズ自陣深くでのラインアウト。
サインミスなのか連携できず、ノットストレートの反則を取られます。
後ろの選手が呼応していたとも見えないので、スローワーの坂手選手はクイックスローのつもりがそれが伝わっていなかった等のような気がします。
これでゴール前のワラターズのラインアウトという極めて危険な状況に陥ります。
ワラターズはゴール前でモールを組もうとしますが、それをさせたくないサンウルブズ。
ラインアウト中の空中での接触でペナルティを取られます。
ワラターズはキックから再度ラインアウトを試みます。
今度はきれいなモールを組まれたサンウルブズ。
モール自体は何とか抑え込みますが、ここでもオフサイドを取られペナルティ地獄から脱出できません。
再三ラインアウトを選択したワラターズ。ここにイズラエル・フォラウ選手やアダム・アシュリークーパー選手が参加。
ワラターズはラインアウトに9人投入。
ここでもモールを組まれますが、そもそもディフエンスに対し人数の多いワラターズにじりじりと押されます。
ゴール前でモールが崩れますが、これがコラプシングを取られペナルティトライとなります。31-23
しかも、ゴール前でペナルティが続いたことで、トモさんことトンプソンルーク選手がシンビンで退場…。
残り20分弱で1トライ1ゴールでは追いつけない状況で、1人プレイヤーを欠いてしまうという苦しい展開になってしまいました。
試合終了間際にもドラマ
ゲイツ選手がマイケル・リトル選手に。茂野選手が内田選手に交代します。
後半69分。
ワラターズのラインアウトにツイ選手が絡みに行ったことで、チャンスが生まれます。
マイボールスクラムを得たサンウルブズ。
トモさんがシンビン中なので、1枚少ない7枚でのスクラムを余儀なくされますが、何とかこれを耐えて半ばスクラムからボールを穿り出すような形で確保。
ウッチーからリョート君、パーカーと右に流れながらのパスでディフエンスを流すと、内に切れ込んだファンデンヒーファー選手の前に穴が。
パーカーからのリターンで一気にファンデンヒーファー選手が抜け出しトライ!
土壇場で31-30と、逆転圏内までサンウルブズが巻き返します。
後半73分にはトモさんのシンビンが開け、そのまま交代でムーア選手が入ってきて再び15人を回復。
しばらくはワラターズの攻撃が続きますが、サンウルブズのディフエンスも硬く突破できません。
74分にはリョート君のタックルが功を奏し、相手のミスを誘います。
ところで、この試合は清宮さんにリョート君がたくさん褒められていました。
沢木パイセン解説の時とは180度違ってて、そこも楽しかったりします。
余談。
さて、ノックオンからのスクラムでボスアヤコが一度ドライブをかけまして、そこからの攻撃が素晴らしかった。
ワラターズは足が止まりがちでしたが、大きなスペースをワイドに使ってサイドトゥサイドの大展開。
これを終了間際にやられるのはキツイ!
しかしファンデンヒーファー選手が大外で捕まるとフォローが遅れターンオーバーを許してしまいます。
残り数分でチェックメイトか…?
ところがその直後のブレイクダウンでヴァルアサエリ愛選手がワラターズの一瞬のスキを突いてラックを引っぺがし、再度ターンオーバーに成功!
マイキーやリョート君が必死のアタックでゴール前までにじり寄ります。
しかし、大外をアヤコが突き、そこからのパスが乱れてワラターズボールに。
ああ、ここまでか…。
いや、またしてもヴァルアサエリ愛。強力なタックルでゴール前からの前進を許しません。
これが効いたのかどうなのか。ポイント後ろでボールが乱れ、慌ててキックで一回試合の流れを切るワラターズ。
若干後退はしたもののマイボールラインアウトを得たサンウルブズ。これがラストチャンスでしょう。
しかし、こういうシチュエーション、多いな。(うれしいですが)
「最高のシナリオが待ってそうですね」by 清宮氏
ラインアウトからのボールは競られることなくモールに移行。
一押し二押しして、ボールアウトからウヴェ選手がスライドしてドライブ。
ここでオージー最強フランカーのマイケル・フーパー選手にあわや絡みかけられますが、何とかボールを確保。
ウッチーからポイント後方に控えていたパーカーにボールがッ!!
さてこのフォーメーション、なんでしたっけ?
…
…
そう!
ドロップゴールだね!!
パーカー選手の蹴った楕円球が描く放物線は、2019シーズン初勝利への架け橋だあああアアア!!!!
…
…
ぐわー逸れたああああああアアアアア!!!!
ドロップゴールが難しいこと忘れてました、ワタシ。パーカーなら入るという風潮(笑)
あの香港の試合が頭過った人は多いはず(笑)
ともあれ、惜しいところでドロップゴールは決まらず。
僅か一点差まで詰め寄りながら、サンウルブズはワラターズからの大金星を逃したのでした。惜しい!
最後の最後、カーキーが負傷し担架で運ばれてしまいました。。。
試合終了後にちらっと映ったミラー選手も松葉杖を突いていた模様。。。
大丈夫でしょうか…
シャークス戦とは見違えたサンウルブズ
シャークス戦からの違いはスクラムの良さとディフエンスの粘り強さ。
スクラムは終始ワラターズよりも優位でした。ここで安定できたので、攻撃の土台ができていたと思います。
また特筆すべきなのはディフエンスの固さ。
スタッツを見ると、ポゼッションはワラターズが圧倒しているのですが、攻撃はそこまで実を結んでいないことが分かります。
サンウルブズのタックル成功率は86%となっており、いかにワラターズの長い攻撃を耐えたかが、数字に表れています。
シャークス戦とは意識がかなり違っていたと言えると思います。
毎シーズン、初勝利までの道のりが遠いサンウルブズですが、今年は早い段階で勝利を得られるのでは!? と期待してしまいます。
来週からはニュージーランド遠征!
移動もあり、選手たちに休息はありませんが、去年はニュージーランド勢にもいい試合がありました。
このワラターズ戦での良い内容をニュージーランドでも見せてほしいですね!
応援よろしくお願いします!
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