こんちわ、ナヲヤです。
ついこないだまで、日本各地をぐるぐる回っていた、ウェッブ・エリス・カップ。
ラグビーのワールドカップの優勝トロフィーのことですが、さてこの「ウェッブ・エリス」って何だかご存知ですか?
実はこの名前、ラグビーの創始者であるという伝説のあるウィリアム・ウェッブ・エリスの名前に因むものなのです。
なんと! ラグビーはある天才によって作り出されたというのでしょうか?
いまや世界でも有数の人気スポーツとなったラグビー。(日本でももう少し人気にしたいけど)
そのラグビーを生んだ、エリスとはいかなる人物なのでしょうか?
今日はそのエリスにスポットを当ててみたいと思います。
ラグビーファン的には、エリス少年なイメージ
時は1806年、イングランドでエリスは生を受けます。日本では江戸時代の後期ですね。
Wikiの人物伝によると、6歳でウォリックシャー州、ラグビーに引っ越したようです。
でた! ラグビー!
うお、マジであるじゃん、ラグビーっていう町!
今更ですが、この記事を書くために先ほど初めて場所を知りました。
ココだそうです(笑)ラグビー発祥の地は。
ちなみに、エリス君と家族が引っ越した理由は、軍人であるお父様が戦死してしまい、子供たちに良い教育を受けさせたかったお母様が当時学費が無償であったラグビー校のあるラグビーに来た、というもののようです。市の時計塔から半径10マイル以内に住む学生は地域奨学生になる、とあります。
太っ腹ですね、ラグビー校!
入学、そして伝説となるあの事件発生
エリス少年は10歳からラグビー校に通い始め、19歳まで在校していたようです。
優等生で優秀なクリケット選手であったとありますが、フットボールでは不正をしがちだったとあります。
この辺、エリス少年の人格を垣間見ることができそうですね。どっちの評価が正しかったんでしょうか?
ちょっと話を進めましょう。
問題の事件は1823年ごろと言われています。エリス少年は17歳ですね。
フットボールの試合中、エリス少年はジャッジに不服だったのか、ボールを持ってゴールに向かって走り出してしまいました。
日本ではよく、「サッカーの試合中に…」という説明をされることが多いですが、これはフットボールを誤訳したことによる誤解のようです。
当時のラグビー校のフットボールは、手を使ってもよいルールでした。(学校によってローカルルールがあり、統一ルールはなかった)
問題だったのは、手を使ったことでなく、手でボールを持って走ったこと、らしいです。
キレやすい少年だったんでしょうか…。
ともかく、エリス少年は何らかの理由でフットボールのルールを無視した暴挙に出たようです。
それを見ていた観客が面白がって…というのが通説ですが、、、
本当にそうだったのでしょうか?
エリス伝説は作られた?
「手にしたボールと走り出す」事件が起こったのは1823年でした。
それから57年後の1880年、マシュー・ブロクサムという弁護士の男が、「ラグビーの起源」というタイトルの文章の中で、例の事件をエリス少年の名前つきで紹介したようです。
1880年には、現在のラグビーユニオンのルールの原型ができていて(1871年成立)、エリス少年はすでに亡くなっていました(1872年)。
文章を残したブロクサム自身もラグビー校のOBであったようですが、例の事件の時にはすでにラグビー校を卒業しており、自身の目で見たわけではないようです。
一説によるとその試合を見た身内の話を書いたのだとか。
ラグビーの起源はエリス少年である、と断定したのはブロクサムただ一人で、それを裏付ける証拠は他の文献などにも残されていないようです。
となると、ブロクサムの徒然日記の可能性も高く、エリス少年がラグビーの起源であるという情報は、ちょっと信憑性が薄くなってきました。。
当時の人もそう思ったようで、それからさらに15年後の1895年、ラグビー校のOBが当時を知るものを探して、エリス少年が起源なのかの聞き込み調査を始めたようです。
この調査では結局、エリス少年が本当に初めてボールを持って走りだした人なのか、決定的な裏付けを得ることはできなかったようです。
しかもオチとして、「エリスはクリケットは巧かったけど、フットボールではズルしてたよ」みたいな証言が手紙で送られていたようです。
どんだけフットボールの印象悪いんだよ、エリス!
その事件からだって70年以上経過しているのに、それでも言われるなんて、よほど評判悪かったんじゃないですかね?
エリスの性格って、実は悪かったんじゃないでしょうか?(笑)
そしてエリスは伝説になった
OBも調査を諦めてしまったのか、はたまたエリスの逸話の収まりが良かったのか、結局エリスがラグビーの起源となってしまいます。
逸話は鉄板に刻まれ、ラグビー校に設置されることになったのです。
その後もラグビー誕生のエピソードは世界各国で語られるようになり、エリス少年はそのたびにラグビーの創始者として伝説化していったのです。
ほんとはキレてルール無視しただけなのに(笑)
でも、数十年経っても周りの人に「エリスと言えば、、、」と語り継がれるアクの強さは、伝説となるにふさわしい個性の持ち主であった証拠かもしれませんね(笑)
ここまでエリス少年が面白いなら、もうエリス少年がラグビーの起源でいいんじゃないか?
そんな言葉とともに、当時起源の調査をしたOB達の苦笑いが、距離と時間を超えて目に浮かぶようです(笑)
なにかそんなエピソードが、ラグビーらしいと言えばラグビーらしくもあるのです。
200年ほど前、エリスという希代の個性的クリケット選手がフットボールの試合中に起こした珍事。
ゲームを面白くするための試行錯誤は現在に至るまで続いており、きっと未来も続くことでしょう。
今や、世界の人々を魅了する、人気のスポーツまで昇華したのです。
偉大だけれど、どこか滑稽な、この愛すべき伝説。
みなさんはどのように感じるのでしょうか?
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