こんちわ、ナヲヤです。
ウインドウマンスに大学ラグビー、花園出場校続々決定などなど。
ラグビーの話題に事欠かない季節がやってきて、ラグビーファンの皆様は仕事どころではないのではないでしょうか(オイ)
このラグビーハイシーズンをより深く楽しむために、今回はラグビーを安全に楽しむためのルールを紹介しようと思います。
近年、ラグビーは選手を守るために、様々なルールや環境を整備しています。
一昔前までは、汗と涙と根性の世界であったラグビーですが、非科学的な理論や練習は徐々に淘汰され、データや選手の健康を大事にしたスポーツへとダイナミックに転換している過渡期と言えるでしょう。
どんなことが変わりつつあるのか、紹介させていただきます。
このブログを訪れる人の中には、お子さんがラグビーを始めたことで好きになった人も多いようです。
お子さんがどんな環境の中でラグビーをやっているのか、そして安全に楽しんでいることを感じてもらえたらとてもうれしいです!
もくじ
危険なスポーツから、安全第一のスポーツへ
これほどルールが変わるスポーツはラグビー以外にないんじゃないかと思うほど、ラグビーのルールはよくマイナーチェンジが行われます。
私が現役だった時代はすでに10年以上前の話ですが、おそらくその時と比較してもルールは細かく変わっています。
前回の2015年ワールドカップのころから特に変わったなあと感じるところはズバリ!
安全面への意識。
ではないかなと思っています。
昔のラグビーはひどいものでした。(笑)
怪我を勲章みたいに考える風潮がありまして、脳震盪だの骨折だのの回数を競ったりする馬鹿だらけでした(笑)
私の現役時代には、過去の根性論的考えはどんどん少なくなっていた頃でした。
例えば「練習中に水飲むやつは根性なし」みたいな時代錯誤は完全に否定されていて、こまめに水分補給することが指導されていた時代ですが、それでも今と比べるとルール的にはまだ未整備の部分が多かったなと思います。
具体的にどんなことが整備されてきたかを追ってみましょう。
なぜラグビーは危険と感じてしまうのか?
ラグビーを人に勧めると、大体みんな怖がります(笑)
おそらくその原因は、他の競技とは違い、コンタクトプレーがあるからでしょう。
あんなプレー、ほかの球技でやったら反則です(笑)。アメフトやアイスホッケーは近しいものがありますが、プロテクターついてますし。
あるとすれば格闘技くらいのものでしょう。
それくらいラグビーは激しいスポーツなのであります。
ともすれば怪我の原因となり、優秀なプレイヤーの選手生命を脅かしかねないコンタクトプレー。
ラグビーを運営する側も手をこまねいていたわけではありません!
ルールの整備による、ラグビーの安全化
最近のテストマッチを見ていると、特にタックルなどコンタクトプレー周りのルールはかなり厳しくなっているなと感じます。
その例を以下に挙げてみます。
空中にいるプレイヤーへのコンタクト
例えばキックされたボールのコンテストになった場合、空中にいるプレイヤーへの接触が発生する場合があります。
危険なので空中にいるプレイヤーに対するコンタクトは禁じられていますが、不可抗力的に起こってしまうことも多いです。
地上にいる状態で、空中にいるプレイヤーにタックルを仕掛けたりすると問答無用でシンビン(下手すりゃ退場)。
過去はどちらも空中にいてなおかつボールに対する働きかけが認められれば反則にはなっていなかったと思いますが、最近はこのプレーに対してかなりレフェリーの目が厳しくなっています。
仮にボールに働きかけていたとしても、レフェリーにそう見えなければシンビンになったりするので、慎重なプレーが求められます。
これは、コンタクトプレーへの対策とは別に、チームとしての戦術的な面でも考慮が必要という意味です。
レフェリーが空中戦にうるさい傾向があって、特定のプレイヤーが注意を受けたらキックを控える、などなど。
レフェリーマネジメントも、今やラグビーの重要な戦略の一つなのです。
ハイタックル
これも従来からある反則でして、タックルは首から上に手をかけてはいけないというものです。
昔はラリアットみたいなプレーを指していたと思いますが、現在は少しでも手がかかるとダメ。(昔もそうだったとは思いますが。。。)
あ、ちょっと触れちゃった? 的なプレーでもハイタックルがコールされます。
完全に感覚的な話になってしまって恐縮なのですが、最近は過去の試合よりハイタックルがコールされる回数が多くなっていると思うんですよね。
これも故意にやっているわけではないと思いますが、万が一のことがありますので昔よりかなり厳しめに取られていると思います。
やっぱり頭の近くは怖いですからね。。。
ノーバインドタックル
これも近年、反則としてコールされることが極めて多くなっていると思います。
タックルの際、パッキング(腕で相手の体をとらえること)をしないで、体当たりのような形になることを指します。
最近ではニュージーランド対B&Iライオンズで、ソニー・ビル・ウイリアムス選手がノーバインドタックルで一発退場。(ハイタックルも複合してますが)
また11月4日に行われた日本対オーストラリアでも、フッカーの堀江選手がノーバインドタックルを取られピンチを招きました。
バインドされていないことで、タックルされたプレイヤーは吹っ飛ぶこともあります。
バインドされているときに比べ、危険度が高まってしまうのです。
結果的にバインドできなかったり、吹っ飛んだりしなかったとしても危険なプレーとして厳しめな判定を下されることが多くなりました。
これも、選手の安全を守るために必要なルールなのです。
過去のナイスタックルは、今や反則に
昔、私が現役のころは、タックルで敵をかち上げろ、と教わってきました。
敵を上のほうに持ち上げるような形でタックルすることで、相手を倒しやすくするものでした。
タックル以外にもラック時のスイープなどでもそうですが、必要以上に敵を持ち上げて叩き落すようなプレーは反則になります。
タックルの目的はボールを止めるディフエンスであり、敵を痛めつけるものではないのです。
必要以上に持ち上げるという行為は、後者そのものでありラグビーでは不要なプレーと定義されたというわけです。
私は2015年ごろ、久しぶりにラグビーを見て、「え、あれが反則なの?」と思った覚えがあります。
私がプレーしてたころは、「ナイスタックル」と言われていたと思います(笑)
選手の安全を守るためのルール、HIA
ラグビーではHIA(Head Injury Assessment)と言って、脳震盪の疑いのある選手を一時退出させるルールができました。
2015年ワールドカップ、スーパーラグビーに続き、トップリーグでも2016-17シーズンから導入されました。
このルールにより、頭を打って脳震盪が疑われる選手は最大10分間、試合を一時退出してドクターによる脳震盪の確認をされます。
確認の間はリザーブより一時交代が認められます。
脳震盪でなければ試合に戻ることが可能ですが、脳震盪と診断された場合はそのまま試合に戻ることができなくなり、交代をすることになります。
これにより、脳震盪でも試合に出続ける選手を格段に減らすことに成功したようです。
それもそのはず、過去流血があった際は感染症防止のため一時退場が認められていましたが、脳震盪のチェックはされていなかったので、多少のめまいは隠してプレーした経験が私にもあります。
ヒドイと試合のある時間帯記憶が無いなんて選手もいましたから、そのころに比べたら選手の安全を考慮した環境になっていると思います。
ていうか、当時は危険だったんだなあ。。(遠い目)
消えた魔法のやかん
かつては「魔法のやかん」と言って、強豪校のグラウンドには必ずと言っていいほどやかんが常備されていました。
中に入っているは水だと思いますが、昔は傷んだり気絶している選手にやかんの水をかけるとよみがえることから、誰かが面白がって「魔法のやかん」と言い出したのだと思います。
今となっては非科学的かつ危険な行為なので、笑い話を通り越して、そんなことをやってはいけません!
根性や迷信にとらわれず、自分のコンディションを正しく把握し、ケアをしていくことが、結果的に素晴らしいプレイヤーとなる近道ではないかと思います。
ようやくラグビーもその領域に入ってきたのです。
どうか古き良き時代、などと懐古し間違った指導が行われぬよう、未来のプレイヤーに無理をさせない環境であってほしいと願っています。
長く、安全に、ラグビーを続けるために
今月11月の始め、京都の大学にて痛ましい事故が起こりました。
けして安全面をないがしろにしていたわけではないと思いますが、ラグビーの試合中に大学生のプレイヤーが1人亡くなっています。
このような悲しい出来事を少しでも減らしていくために、長く、安全にラグビーを楽しんでもらうために、我々ファンも選手の安全を第一に考えて、ラグビーを応援していかなければならないと考えるのです。
応援よろしくお願いします!
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