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【根性論のその先に】タックルにいかないディフエンス/ラグビーの心理戦

【根性論のその先に】タックルにいかないディフエンス/ラグビーの心理戦

こんちわ、ナヲヤです。

ラグビーはタックルをすることで相手の動きを止めるディフエンスが多いですよね。

タックルに失敗したり、場合によってはタックルに行けなくて、

「何やっているんだ!? 根性ないのか!?」

なんてことを言う人もいますが、実はタックルに行かないディフエンスもあるということをご存じないのでは? と思います。

単純な根性論のその先にある、奥深いディフエンスの面白さを今日は伝えたいと思います!

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タックルは至高のディフエンス?

いきなり結論からですけど、タックルはラグビーにおける至高のディフエンスでしょうか?

答えはYES、と私は思います。

タックル=「ボールを持った敵を捕まえて倒す」ということであれば、タックル成功率100%のチームがあったなら、おそらく不敗のチームとなれるでしょう。ボールを敵陣に持っていく術がないのですから(タックル良いからといって、勝てるわけでもないですが)

当たり前ですが、実際にはそんなチームはこの世に存在しない訳で。

タックル成功率はどんなに良くてもチーム平均90%弱くらいのものな気がします。(むしろ高すぎ?)

走っている人間を捕まえて倒すってのは、それくらいスキルの必要な難しいテクニックなのです。

ラグビーは数で勝ることが大切!

ラグビーは、15対15のスポーツ。

試合中、基本的には敵チームの自分と同じポジションのプレイヤーをマークしてディフエンスすることになります。

オフェンスの方法はいろいろありますが、シンプルなテーマとしては

相手に対して数的優位を作ること

ということが挙げられます。

シンビンなどによる退場者がいなければ、プレイヤーの数は同じなのですが、サインプレーなどの戦術をもって、

局地的に敵より数で勝る状況を作り出すのです。

「ピンチ!ディフエンスが足りない~!!」 なんて状況はよく目にすると思いますが、まさにあの状況を指します。

例えば大外で2対1となり、攻撃側が数的優位な場合は高確率で相手のディフエンスを突破することができるでしょう。

ディフエンスはプレイヤー数(枚数、なんて呼ぶことが多いです)が不足した時点でほぼ負けなのです。

数的優位を作られたときの対処法

「あー2対1だよ、勝てっこねーや。諦めよう」

↑こんなこと言ったらぶっ飛ばされるので、ディフエンスは苦しくてもやらなければならない(笑)

数的優位を作られたら、ディフエンスとしてはかなり不利なのですが、試せることはいくつかあります。

そこには、敢えてタックルしないという選択肢があったりします。

時間を稼ぐ

例えば2対1になった時、ボールを持った敵を確実にタックルで仕留められるならいいのですが、まずそれほどうまくいくことはないです。

何故なら、攻撃側にはもう一枚プレイヤーが余っているので、タックルされると分かったらそのプレイヤーにパスすればいいからです。

これをされた場合、状況をリカバリすることは絶望的でしょう。

そうならないために、イチかバチかのタックルには敢えて行かない戦法があります。

ディフエンスの立ち位置は敵2人の間あたり。(2対1の場合)

あまりに敵との距離が近いとあっさり抜かれるのである程度の距離を保ちます。

狙いは敵2人のどちらにもタックルがいける間合いを維持すること。

加えてうまく相手の進路を妨害するようにコースを取ること。

これをされたオフェンス側は下手にパスをすることができなくなります。

タイミングを誤ると、タックルの格好の餌食になるからです。

相手の間合いにも飛び込めないので、全速力を出すのも難しくなります。

かといってボールを持ちながらスピードを落とすとそれはそれでタックル狙われるので危険。

数的優位にあるとはいえ、ディフエンスプレイヤーの裏をかくために、心理的攻防が繰り広げられます。

ディフエンス側の意図は、抜かれないことは大前提にあるとして、相手の選択肢を潰しつつ時間稼ぎをすることにあります。

たとえ一時的に数的優位を作られていても、時間を稼げれば味方が駆けつけてくれます。

走すれば形成逆転が可能にもなります。

イチかバチかのギャンブルタックルよりも実はディフエンス力が強い戦法だったりするのです。

タッチラインに追い込む

シチュエーションは時間稼ぎに似ていますが、タッチラインが近いときに使う、16枚目のディフエンスと呼ばれる戦法です。

タッチラインを出てしまえばボール、プレーは止まりますから、危機を脱することができます。

上手くディフエンスで相手を外側に追い込み、動けるスペースを無くしていく戦法になります。

ディフエンスは内から外へなめていくように行うことがポイント。

時間稼ぎの戦法と同じようにタックルはいくと見せかけつつ、相手の動きを制することが大事です。

オフェンスは外に渡してスピードによる勝負をかけるか、自分で当たる、あるいは内に戻すなどのオプションを選ぶことになります。

外にボールが流れれば、タッチラインを最大限に利用して相手の使えるスペースを無くしたり、ライン外にはじき出すことができます。

ボールを持ったプレイヤーが内に切れ込んだ場合は、タックルのねらい目。

タッチラインがあるため、オフェンスが2枚とも外に寄るのはスペースを殺せるので数的優位を打ち消すことになります。

苦し紛れに内に切ってきたら、待ってましたのタックル

1試合に2~3回くらい見られるシーンではないでしょうか?

数的優位は、「突破して当たり前」というプレッシャーがありますが、その当たり前が意外と難しいいところでもあるのです。

タックルに行かない=根性なしではない!

シチュエーション的にスタンドオフウイングフルバックなどが数的不利な状況でのディフエンスを余儀なくされることが多いのです。

うまいなあと思う選手を挙げますと、日本代表でパナソニックワイルドナイツのウイング、福岡選手は外に攻撃が余った状況でも冷静な駆け引きができるのでディフエンスの安心感はすごくあります。

タックル至上主義のような観念を持つ人はたくさんいて、「タックル行けよ!根性ねーな!」なんていうヤジを飛ばす人もいますが、上に挙げたようなシチュエーションでは、下手にタックルに行くと止められるものも止められないことがあります。

むやみにタックルに行くことだけが正解ではない。

ディフエンスには心理戦的な駆け引きも重要。

こういったところに注目してもらえると、「タックルに行かない=根性なし」のような短絡的思考には陥らないかなと思います。

ディフエンスは、根性だけでなんとかなる浅い世界ではないのですよ(笑)

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記事を書いた人

nawoya
ナヲヤです。1983年生まれ、高知県在住です。
2019年ラグビーW杯の時に、少しでも多くの人と
ラグビーを楽しめるよう、ラグビーの楽しさを紹介します。

雑記では、ラグビー以外の気になることも紹介していきます。

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