こんちわ、ナヲヤです。
トップリーグが開催し、「来年ワールドカップもあるし、初めてラグビー見に行きました!」という方も増えてきた今日この頃。
初めてのラグビー観戦は楽しい反面、今のプレーってどんな意味があったのか? という疑問も多いのではないですか?
この記事ではそんなラグビー観戦初心者によく聞かれる「ラグビーのキックの疑問」に答えてみようと思います!
疑問別に章をまとめてみることにします!
もくじ
なんでキックで敵にボールを渡してしまうの?
よくサッカーが好きな人から聞かれる質問ですね。
ただボールを蹴って相手に渡してしまっただけのように見える。。。
ボール支配を捨てて何の意味があるのだろう? 勿体ない…。
もしかしてクリアミス? みたいな。
確かにサッカーと同じように考えると、せっかくキープしていたボールをみすみす敵に渡しただけのように見えますね。
このプレーの裏には、ラグビーとサッカーの大きなルールの違いが背景としてあります。
ラグビーはボールが最前線!
ラグビーはボールが常に最前線という球技です。
ボールより前にいることは、プレーに参加できないことを意味します(オフサイドの位置)
プレーができないと意味がありませんから、みんなボールの後ろに陣取ることになります。
要するにラグビーは、ボールを境界とした陣取りゲームなんですね。
陣が狭くなると、要するにボールが押し込まれると、プレーの自由度だったり選択肢が制限されていきます。
これはボールを前にパスできないラグビーならではのプレーになるという訳です。
キックをする一つの理由として、
- 陣地の奪取、回復
というポイントがあることを覚えておいてください。
でも敵に取られてしまってはピンチでは?
これはその通り。
陣地を回復したとはいえ、ボールの支配権を手放すのはプラスではありません。
敵もバカではないですので、キックされてそのまま更に相手に取られては大ピンチですからキックされたボールを素早く回収することが求められます。
そもそもキックしやすい場所を作らないように、ディフエンス側は主にウイングやフルバックが布陣します。
野球の外野みたいなもんです。
勿論、蹴った側がそのままボールを確保出来たら理想的ですが、そううまくいくのは稀です。
ボールが敵に渡るのはある程度承知の上でキックすることになりますが、ここでも一つ戦術があります。
キャッチャーを孤立させたら有利!?
キックは大体敵陣深くに蹴り込まれることが多いと思います。
あわよくば最後尾のプレイヤーを通り越してキックを落とせると最高なので、キッカーはそれを狙うことになります。
これは、ボール確保に時間をかけさせればそれだけ相手との間合いを詰められるから、です。
キックされたボールは大体、最後方にいたプレイヤーが処理することになりますが、キックした側のチームはこのプレイヤーとの間合いを詰めます。
さて、ここで前述のボールが最前線であるというルールがキックした側に有利をもたらします。
キックされたボールを、ディフエンス側の最後方のプレイヤーがキャッチしたとします。
そうするとその瞬間はボールより前にいる選手がオフサイドとなっているため、プレーに参加することができません。
味方がボールより後ろに下がるか、ボールが来てくれるのを待つかしないとプレーに参加できないのです。
つまり、ボールをキャッチした瞬間は事実上、一人ぼっちです。(あくまでその瞬間、ですけどね)
その時に、キックした側のチームがその一人のプレイヤーを囲い込めたら、大チャンスだと思いませんか?
ボールの支配権は失いますが、支配権だけあってもこのような状況に陥っては、必ずしも有利であるとは言えません。
キャッチャーはスペースを使ってカウンターを仕掛けたり、キックを返したりといったプレーで、いち早くその状況を逃れようとします。
敵にボールを渡しても有利な状況が作り出せる可能性がある、ということはお分かりいただけたでしょうか?
何で高く蹴るの?
これもよくある質問。
上で説明したキックと似ているのですが、奥に蹴り込むのではなく高く蹴っているのが違い。
飛距離は犠牲になりますが、その分キックしたボールを再確保できる可能性を高くしているのがこのキック。(ハイパントと呼びます)
先ほどのキックは支配権を犠牲にして陣地を確保しに行っていますが、このキックの場合は支配権の再確保により重きを置いているというものになります。
狙いは相手のディフエンスラインのすぐ裏側あたり。
ラグビーはボールを持っていない状態のプレイヤーにタックルはできませんから、うまく確保できればディフエンスラインを素通りできるという裏技(笑)
高く蹴るのはそこに味方のプレイヤーを走り込ませる時間を稼ぐため。
ディフエンスラインと、バックスリー(さっきのキックの処理係ね)の間のスペースが大きかったり、ディフエンスが固いときのアクセントなどに使われることが多いです。
上に挙げたキックとの違いが分かると、キック戦略の面白さが深みを増してくると思います!
タッチに蹴りだしたら蹴ったところまで戻されたよ!?
せっかく蹴りだしたのに、なぜかボールが戻ってきましたね。
レフェリーに意地悪でもされてんのかと思ったら、そういう訳ではない(当たり前ですけど)
サッカーなら蹴ったボールがサイドラインを割ったらそこからスローインですが、ラグビーの場合ほんの少しだけ複雑です。
蹴った場所によって、扱いが変わるんです。
ポイントは、22mライン!
上の図、ラグビーのフィールド図なんですけど、赤線にしている箇所を22mラインと呼びます。
両ゴールラインから真ん中に向かって22mの場所にあるから22mラインです。
ゴールラインと22mラインの中(22mライン内)で行ったキックと、そうでない(22mライン外)キックで大きく判断が分かれます。
22mライン内でのキックがタッチを割った場合
これは問答無用で、キックされたボールがタッチラインを割った場所から敵のラインアウトでの再開となります。
22mライン内ということは押し込まれていてピンチの状態です。
そこから蹴ったキックはタッチラインを割っても蹴ったところまで戻されません。
22mライン外でのキックの場合
先ほどよりは敵陣に近い状態となりました。22mラインからは脱出している想定です。
あー、ココから蹴って外に出たら戻されるのね? と思ったら、さらにもう一つ分岐がございます(笑)複雑ですね(笑)
ノーバウンドでタッチを割った場合
えー、22mライン外でのキックかつ、ノーバウンドでタッチラインを割った場合は蹴った場所まで戻されて敵のラインアウトになります。
せっかく蹴ったのに陣地戻されてしまうので、この状況はミスであると言えます。
キッカーは「(ノ∀`)アチャー」みたいな顔しますし、実況解説も「ミスキック」とか言ってたりすると思います(笑)
て、ことは…?
一回以上バウンドしてからタッチを割った場合
22mライン外からでも、フィールド内で一回以上バウンドしてからタッチを割ったなら、タッチを割った場所から敵のラインアウトでの再開となります。
これだったら戻されません。何故戻されたんだか分からなかった人、モヤモヤ解けましたでしょうか(笑)
なので、22m外からキックを仕掛ける場合は、ライン際で一回バウンドするように仕掛けることが多いです。
これがうまくいくと陣地を一気に稼げるので、ノーバウンドの時とは打って変わって「ナイスキック!」って言われます。
ラグビーのキックは奥が深いよ!
ラグビーのキックでよくある質問への回答でした。
ラグビーのキックにまつわるルールや戦術は初見だと分かりにくいことが多いので、どうしても観戦始めたばかりのころは「なんであんなことしているんだろ?」と思ってしまいがち。
ラグビーをこれから見に行こうと思っている人や、お友達を誘おうと思っている人たちはこの記事で予習して、キックを楽しんでしまいましょう!
日本代表もキックを多く取り入れたラグビーを行いますから、今から勉強しておけばワールドカップのころにはきっとキックをディープに楽しめるようになっていると思います!
さあ勉強頑張りましょう!
応援よろしくお願いします!
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