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ラグビーの監督って試合中はどこにいるの?/別にサボっているわけじゃない話

ラグビーの監督って試合中はどこにいるの?/別にサボっているわけじゃない話

こんちわ、ナヲヤです。

タイトルの件、不思議じゃないですか? いっつもどこにいるのよ、監督、ヘッドコーチって。

テストマッチとかだと、放送席みたいなところにいて、ティアティアとかなんかおかし食べている。

 

トップリーグの試合の時は観客席と同じような場所でいつも怖い顔をしているのが沢木パイセンです。

「なんでみんなピッチに出ないんだ!? サボっているのか?」

って、思った人いませんか?

サッカーはみんな監督はピッチにいるような気がしますけど?

実はこれには深イイ訳があるのです(笑)

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ラグビーでは、原則監督は口出し無用!!

驚きました?

ラグビーでは原則的に監督は試合中の選手に指示を与えてはいけないんです。。。

指示を伝えることができないのなら、ピッチに出ても意味が無い。。。

別にルールで禁止されているわけではないようですが、ラグビーの監督(HC)はサッカーのようにピッチに立つことはほぼないでしょう。

でもよく考えると実に面白い習慣だと思いませんか?

その成り立ちを紐解いてみます。

ラグビーの試合は選手のものであるという原則

ラグビーの試合は、当事者である選手たち以外の者が、指示も含めて横から口を出すことを良しとしませんでした。

それは、ラグビーの試合が選手たちのためのものである、という原則に基づき、ラグビーに携わる者たちがその伝統を守ってきたことによります。

なので、試合中の判断や決断は基本的に選手(キャプテン)に委ねられています。

これは高校くらいまでのスポーツでは結構珍しいことではないでしょうか?

例えば高校野球では監督の指示に従って戦うことが一般的でしょう。

送りバントの指示や、特定打者の敬遠などは監督の指示で行われることが多いと思います。

ラグビーでは逆にそれが少ないんですね。

2015年ワールドカップの南ア戦、最後のスクラムだって、リーチ選手の決断です。

当時のエディーHCの思惑は、ショットで引き分けだったようですが、両者の意見は食い違っており、さらにリーチの選択が活きることになります。

他のスポーツだと結構あり得ない状況(笑)な気がしますが、ラグビーでは割と普通にこんな状況を受け入れる文化があります。

ていうか、監督(HC)の指示だけで選手が動いていたら興ざめです(笑)

ヤジで「監督如きの言うこと聞いてんじゃねーよ!」とか言われかねません(笑)

さすがにヤジは大袈裟ですが、それくらいラグビーの試合における「第三者の不介入」の原則は、文化として根付いていると言っていいでしょう。

じゃあなんで監督は客席の上のほうにいるの?

ルールではないけど、文化的な原則で、指示は出せないということはお分かりになりましたでしょうか?

じゃあなんで、決まって監督さんたちは、観客席の上のほうとかにいるのでしょうか?

これは極めて現実的な話なんですが、

「上のほうが見やすいから」

です。

フィールド競技ですし、15人×2の人数を目で追わなければいけないですから前のほうで見ていると全体像がつかめません。

プレーをチェックするためには上のほうにいないとゲームを把握できないから、というのが大きな理由なんです。

ラグビーの監督は指示を出さない訳でもない

「第三者の不介入」なんて難しい言葉を使いましたが、ラグビーの監督が選手に対して全く指示を出さない訳でもありません。

むろん、試合前は指示を出します。

  • 戦術の確認
  • 相手チームの分析結果
  • 個々の選手の目標確認

などなど。試合直前まで確認や指示はロッカールームなどで出していると思います。

で、ハーフタイムも同じように、前半を見てわかったことや後半に向けての戦術を共有したりしています。

別に監督が仕事していない訳じゃないのです(笑)

更に言うと、トランシーバーなどで試合中も選手交代などの指示は出しています(笑)

散々指示出さないって言っといて何だよ!って思われるかもしれませんが、ごめんなさい、出してます、指示(笑)

前述の南ア戦のブレイブコールの時も、リーチ選手にはエディーからウォーターボーイを通じて「ショット」(ペナルティキック)の指示は届いていました。

リーチはキャプテンとしてあくまで勝利を目指すとし、エディーの指示を無視してスクラムを選択したのです。

この決断こそが、ラグビーの「試合は選手のもの」の理想形であり、「ブレイブコール」を史上最大のジャイアントキリングとして世界に知らしめた理由の一つであると思います。

ちなみに、エディーは試合当日の朝、「重要な決断はリーチに任せる」と言っていたのはずなのですが、土壇場でリーチにショットの指示を無視され、怒り狂っていたそうです(笑)

いや、あなた「任せる」っていってたじゃないすか(笑)

当然そんな様子はTVには映っていませんが、ヘッドセットマイクぶん投げたりして大変だったみたいです。

でも結果勝って、あの笑顔。

エディーおじさん、都合よすぎるぞ(笑)

ラグビーの持つ自主性

ラグビーは選手の自主性を重んじるスポーツです。

自主性は時として、ブレイブコールのような大きな驚きと感動をもたらす決断を生み出します。

試合中の決断は大小合わせれば、数十、数百にも及ぶものでしょうが、それらを選手たちが判断、決断し、勝利を目指す。

ここにラグビーの魅力があるのだと思います。

もちろん、人間ですから判断を間違うこともあると思います。監督の指示のほうが経験豊富で的確であるかもしれません。

それでも、選手の判断に期待したい。不確実でも、選手の成長に期待したい。

それがラグビーの美しさであるのではないかと思うのです。

「ラグビーは少年をいちはやく大人にし、大人にいつまでも少年の心を抱かせる」

私の大好きな、ラグビーの格言です!

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記事を書いた人

nawoya
ナヲヤです。1983年生まれ、高知県在住です。
2019年ラグビーW杯の時に、少しでも多くの人と
ラグビーを楽しめるよう、ラグビーの楽しさを紹介します。

雑記では、ラグビー以外の気になることも紹介していきます。

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