こんちわ、ナヲヤです。
7/13、サンウルブズの2018シーズン最終節であるレッズ戦が行われました!
日本代表チームの強化施策として2016シーズンからSRに参戦し、今シーズンが3シーズン目の挑戦となりました。
飛躍のシーズンとなった今季、最終節をサンウルブズはどう締めくくったのか、振り返ってみます。
もくじ
前半早々にトライを許すが…
試合前日の記事で、レッズの要注意プレーで挙げさせていただいた、
- スクラム
- ピック&ゴー
さっそくこれをやられてしまう展開になってしまいました。
前半4分。
ラインアウトから展開を図るサンウルブズですが、ヴィリー・ブリッツ選手がコンタクトの際に敵ディフエンスに腕をボールにねじ込まれ、ノックオンを誘われます。
ここでレッズスクラムに。
ファーストスクラムはクイックで対応できていたので悪くなかったのですが、このスクラムは押し込まれてフッカーが浮いてしまい、ペナルティも取られてしまいました。
そのままレッズから見て右方向にホイール気味に。
空いた左のスペースに展開され、ゴール前でレッズ得意のピック&ゴーの展開になりました。
一発目、レッズは狭いスペース側にボール出してますね。
セオリーではタッチに押し出されるのを嫌ってオープン側(広いほう)に展開しますが、前進できる自信があったのでしょう。
そのまま押し込まれ、先制点はレッズ。7-0。
ココ見て!ポイント
唐突に始まりました新コーナー、「ココ見て!」
飽きるまでやります(笑)不定期で(笑)
昨年の秋ごろからサンウルブズや日本代表で取られるようになったディフエンスシステム。
鋭い飛び出しでパスされる前に相手を潰してしまう防御。
前半10分の敵ボールラインアウトからの、サンウルブズのディフエンスラインの上がり方、観てみてください。
非常に速いスピードで相手との距離を詰めています。
しかも横との統制も取れています。
ラインアウトなので、カメラがやや引き気味に構えていてくれたおかげで全体像が綺麗に見えています。
これを毎回続けられると相手は非常にやりづらいです。
穴が無く、ボールを確保しているのに打つ手がありません。
ディフエンス側にジリジリと陣地を奪われてしまいます。
焦りも誘えば、相手にミスが生まれるかもしれません。
苦し紛れにキックしても、日本のバックスリーは俊足が多いのでカウンターを喰らう可能性も。
このディフエンスは、日本チームの特性に合った防御のシステムと言えます。
メリットは大きいですが、反面このシステムは非常に過酷なシステムでもあります。
フィットネスは高いものを要求されます。
ボールを早い段階で潰そうとするので外まで綺麗に出されてしまうと一転不利になります。
SRの中盤以降はこのあたりの弱点を突かれました。
飛ばし飛ばしで大外を頻繁に狙われたり、スタンドオフがループして、一度ディフエンスとの距離を取ることで時間を稼いだり。
これをされると一部のディフエンスの出足が鈍り、横とのギャップが生まれ、そこを突かれてラインブレイクされることが多かったです。
敵もさるもの、同じ戦法を取っていては必ず対策されてしまいます。
来シーズン以降は、今季で見えた弱点の克服も重要になってきますね!
一進一退の前半
パーカー選手のショット2本で7-6まで迫るも、前半23分にはフォワードのピック&ゴーでディフエンスを集められた後に、バックスに展開され最後は大型ウイングのエト・ナンブリ選手がフィニッシュ。14-6。
秩父宮の借りをブリスベンで返すべく、レッズは燃えていました。
しかし前半27分。
敵陣での敵ラインアウトのボールが乱れたところをフッカー庭井選手がボール確保。
そこから丁寧にボールを繋ぎ、マイケル・リトル選手やヴィンピー・ファンデルヴァルト選手が中心にじわじわゲイン。
クレイグ・ミラー選手はプロップでありながら、ポイントサイドのスキを突いて大きなゲインを獲得します。
最後は外勝負、ゴール前でマイケル・リトル選手が出そうとしたボールを敵ディフエンスがはたき落としてしまい、インテンショナル・ノックオン(故意のノックオン)として、サンウルブズが認定トライを得ました。14-13。
さらに反則したバイアアウア選手はシンビンで一時退場。数的優位を得ます。
悪夢の2試合連続レッドカード…
レッズは1人欠いても、全く手が緩みません。
前半30分にはショット、前半32分には敵フルバック、ランス選手にイージーなラインブレイクを許し、22-13に。
なおもレッズの攻撃が続く前半36分、事件は起こります…。
レッズのスタンドオフ、スチュワート選手がポイントから立ち上がれなくなりました。
当初はタックルを受けた際に腰か足首あたりを負傷したのでは? という野澤さん、村上さんの見解でしたが、TMOとなり嫌な予感に…。
問題のシーン。倒れたスチュアート選手に対し、エドワード・カーク選手が顔にパンチを見舞っているように見えます。
ただラインブレイクの攻防で後ろから押された際の不可抗力のようでもあり、うがった見方をすれば、グーである必然性はないので故意ともみられるし…。
長いTMOののち、カーク選手はレッドカードで一発退場…。
私はイエロー相当かと思っていただけに、ちょっと重いのでは? と思わずにはいられませんでした…。
先週、マシレワ選手が危険なタックルでレッドカードをもらっていただけに、2戦連続の前半中に1人退場はショックでした…。
最後に1トライ許し、29-13で前半を折り返します。
なぜそれはレッドカードではないの?
一つ、抗議したいシーンがあるので書いておきます。
後半43分。
ヘイデン・パーカー選手がレッズのフランカー、ティム選手にぶん投げられ、地面に転がったパーカー選手がさらにチャージされる反則がありました。
投げられるまでは良いとしても、すでに倒れたパーカー選手へのチャージは明らかにやりすぎです。
しかもボールに行ったというより、頭部に肩を当てに行っているように見えます。
結果としてティム選手はシンビン退場になりましたが、カーク選手がレッドだったことを考えると、このプレーもレッド相当であると考えます。
ひいき目があるかもしれませんが、危険度ははるかにティム選手の反則のほうが大きいでしょう。
この判定は、ラグビー界で物議をかもしそうな雰囲気があります。
公平なジャッジをお願いしたいです。
来季に繋げる意地
ワラターズ戦のように、14人で試合になることで崩壊の危機もありました。
その後サンウルブズは後半65分までに3トライを許し、48-13までリードを広げられていました。
大量失点の悪夢が脳裏を過ります。
色々な成長を見せてくれたサンウルブズ。何とか勝利で今シーズンを終えてほしいと思いましたが、それも難しい今、どういうプレーをしてくれるかで、来季以降のサンウルブズや日本代表の未来が変わると言っても過言ではないくらい、その状況には重みがありました。
でも我らがサンウルブズは、死んではいませんでした!!
まずは後半71分。
キック処理で下がっていたマイケル・リトル選手がボールキャリー。
大外をエメリー選手に繋ぎますが、惜しくもタッチに押し出されます。
しかし冷静に試合状況を見ていたマイケル・リトル選手がクイックでボールを入れ中村亮土選手に繋ぎ、準備のできていなかったレッズから1トライをもぎ取りました。48-20。
最後まで点を取るために、各人が何をすべきかを徹底的に考えていなければ、こういった熱いプレーはできないと思います。
勝てないまでも、わずかながらの希望が見えました。
そして、そのすぐあと、リーチ・マイケル選手が背中を見せてくれました。
この日はらしからぬミスを連発し、元気のなかったリーチ選手が疲労困憊になりながらも決死のプレーを見せたのは後半73分。
キックケアのため、最後列まで下がっていたリーチ選手にボールが渡ります。自陣22mラインの少し手前当たり。
そこから猛然とダッシュを始めるリーチ選手!
掛け値無しの全力疾走。ステップも使いません。ただまっすぐ敵に向かっていきました。
ハーフウェイラインあたりまで走ってきましたから、およそ20m程度をただまっすぐ、敵に向かって突進しました。
小細工なしの真っ向勝負。
これがラガーマンの心を熱くさせない訳がありませんでした。
外ではボスアヤコ選手が敵のブレイクダウンからボール奪取に成功。
そしてまたしてもリーチ!!
消耗しているのは誰の目から見ても明らかですが、敵を押しのけ、執念のストライクを魅せてくれます。
これが最後のジャバ・ブレグバゼ選手のトライを生んだのです!!
48-27。
結果は負けではあったものの、最後までラグビーを続ける意地を見せてくれました。
ありがとうサンウルブズ。そして、2018シーズン、本当にお疲れ様でした!!
7’sワールドカップ、トップリーグ
サンウルブズのSR3年目のシーズンが終わりました。
今季は初勝利に苦しみましたが、結果として1シーズン初の3勝、連勝。そしてシンガポールや香港と言った海外ホームでの初勝利と、うれしい成長が見られたシーズンでもありました。
至上命題は日本代表チームの強化。
ですが、SRという南半球のチーム主体のリーグの中で多国籍軍となったサンウルブズが、日本代表とは一味違った魅力を持ち始めているのも事実です。
ラグビーの普及が遅れているアジアの中で、ラグビーファンの期待を一身に受ける稀有な存在となりつつある気がするのです。
どうか短期的な視点だけで、特殊な状況下で生まれた、いびつだけど愛されるサンウルブズというチームを無くさないでほしい。
3年目にしてようやく立ち上がった赤子です、サンウルブズは。
来シーズンはより大きな成果を残してくれると信じています!
応援よろしくお願いします!
おまけ:7/13のゴリさん語録
「絶対スローフォワード!」
「我々が現役の10年前はよくあるシーンでした」※カーク選手のレッドを受けて
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